【現役合格者が語る】教員採用試験 個人面接突破のコツ〜必要な対策と準備とは?〜

教員採用試験の最終関門とも言える個人面接

多くの場合個人面接は筆記試験や論文試験を突破した先にあるものです。そして面接は自身の教育にかける情熱や人間性を直接アピールできる貴重な機会です。

ここまですすんだからこそ「どうすれば合格できるのか」と不安に感じる方も少なくないでしょう。

この記事では、私が実際に教員採用試験を突破し、そして現場で多くの先生方と関わる中で見えてきた、個人面接を成功させるための3つの重要なポイントを徹底解説します。

  • この人と一緒に働きたい!と思わせる
  • 問いに対して”正解”の有無を意識する
  • 自分の教育観を明確にし確実に伝える

*集団面接と集団討論についてもこちらで記事を書いています!悩める方は是非ご覧ください!

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目次

面接官に「この人と一緒に働きたい」と思わせる

面接は、単に質問に答える場ではありません。

未来の同僚として、子どもたちを育む現場で共に働く仲間としてふさわしいかどうかを判断される場です。

面接官の図解 審査目線で厳しく見るイメージだが、実際は共に働く仲間を探している

面接官の中には、現役の管理職(校長や教頭)や、ベテランの先生方が含まれていることも少なくありません。

即戦力となる人材というよりも、
「この先生と一緒に働けば、学校が良くなる」
「この先生なら、安心して子どもを任せられる」

と感じる人材が求められています。

ここからは実際に”面接官と再開した体験談”と、”個人面接で示すべき姿勢”をまとめます

体験談:面接官と研修で再開した話

教員になってからの初任者研修にて・・・

初任者研修で近隣学校の校長先生に講義をしていただく機会がありました。
その講師がまさか採用試験での面接官だったのです!
講義前に挨拶にも行きましたが、講義後その校長先生と個別にお話しできたタイミングでこんなことを言っていただきました。
「面接ではありがとうねぇ〜!ぜひうちに赴任してくれと思ってたんやけどなぁ!一緒に総合学習作りたかったのよ〜」その言葉から、面接の場で「この人と一緒に〇〇したい」と思ってもらえたことが高評価に繋がったのかなと思いました。

面接の場で総合学習に関する質問が出て、大学で経験したアクティブラーニングや探究活動の話を語りました。
その経験から、当時カリキュラムを一新するタイミングだったことから、総合学習の組み立てに携わって欲しいと思ってもらえたそうです。

もちろん、面接官にどんな方が選ばれているのかは自治体や年度によって異なるため、一概に「こうすれば良い!」とは言えません。

しかし、共通して言えるのは、面接官は「共に子どもを支える立場」になるあなたを見ているということです。

では、どうすれば「一緒に働きたい」と思わせることができるのでしょうか?

それは、「こんな人と働きたいな」という面接官の期待を徹底的に分析し、それを演じきることに尽きます。

一緒に働きたいと思ってもらうために示すべき姿勢

具体的には、以下のような点が大切だと言われています。回答を作る際は以下の要素を意識して回答作りしましょう。

  • 協調生・チームワーク
  • 前向きな姿勢・成長意欲
  • コミュニケーション能力
  • 教育への情熱・使命感
  • 協調性・チームワークをアピールする:
    • 学校現場は、教員一人ひとりの力だけでなく、チームとしての連携が不可欠です。
      「報・連・相」を徹底すること
      ・同僚と協力して課題を解決すること
      ・自分の役割を理解し、率先して行動すること
      など、具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。
    • 学生のうちに経験できる
      「部活動で顧問の先生と協力して指導にあたった経験」
      「行事の準備で、自分の担当以外の仕事も積極的に手伝った経験」
      など、具体的な行動を伝えることで、協調性の高さを印象付けられます。
  • 前向きな姿勢と成長意欲を示す:
    • 教育現場は常に変化し、新たな課題に直面します。
      ・困難な状況でも諦めずに前向きに取り組む姿勢
      ・常に学び続け、自己成長しようとする意欲
      は、必須の姿勢であり、面接官にとって非常に魅力的に映ります。
    • 「失敗から何を学び、次にどう活かしたか」といった具体的な経験を話すと良いでしょう。例えば
      「教育実習でうまくいかなかった指導を、指導教官のアドバイスを受けて改善した経験」
      「新しい指導法やICT教育について、自主的に学んでいること」
      などを具体的に伝えることで、成長意欲をアピールしましょう。
  • コミュニケーション能力の高さを示す:
    • 子どもたち、保護者、同僚、地域住民…教員は様々な立場の人々と円滑なコミュニケーションを取る必要があります。
      相手の意見を傾聴する姿勢
      自分の考えを分かりやすく伝える力
      相手の気持ちに寄り添う共感力
      などをアピールしましょう。
    • 例えば
      「アルバイトでのクレームに、どのように対応したか」
      「周囲の部員と協力し、部活動で話し合いをまとめた経験」
      など、具体的な対話の場面を想起させるエピソードが有効です。
  • 教育への情熱と使命感を伝える:
    • なぜ教員になりたいのか
      どのような教育を実現したいのか
      その根底にある情熱や使命感を、あなたの言葉で力強く伝えましょう。
      これは、面接官があなたを「本気で教育に取り組む人材」と評価するための重要な要素です。
    • 単なる憧れだけでなく、
      「子どもの声を聞き子ども達がのびのび生きられるようにしたい」
      「社会に貢献できる人材を育てたい」
      といった明確なビジョンを語ることで、説得力が増します。

これらの要素を、これまでの経験や具体的なエピソードと結びつけて話しましょう。そうすることで、面接官は働いている姿をより具体的にイメージし、「この人と一緒に働きたい」という気持ちを抱くようになります!

また、良い印象を与えるには第一印象も大切です。

短い時間で良い印象を残したい方へ

面接という短い時間だからこそ、どんな第一印象を持ってもらいたいのか。そのためにどうすれば良いのか、是非勉強してください。

私はが社会人になってから読んで今でも行動指針になっている第一印象の教科書はこちらです!

初対面から信頼関係を築く 第一印象の磨き方
著者:丸山ゆ利絵 日本実業出版社

面接で投げかけられる問いに対して、正解の有無を意識する

面接で問われる質問には、「正解が存在する問い」と「正解が存在しない問い」の2種類があります。

意外と意識できていない人も多いのではと思います。

この2種類の問いの性質を理解し、それぞれの問いに適切なアプローチで回答することが、面接突破の鍵となります。

<正解のある問い>

「正解のある問い」
教育現場における基本的な知識、教員としての倫理観、危機管理能力など、教員として当然知っておくべきことや、取るべき行動が明確に決まっている事柄に関する質問です。

これらの問いに対しては、回答で外してはいけないポイントが存在しています。確実にポイントを押さえて回答することが必須です。

どれだけ他の部分に説得力があっても、この部分で勉強不足だと判断されてしまっては、合格は遠のいてしまいます。

ここでは例として正解のある問いを2つ紹介します。

読み進める前に絶対に伝えるべき正解がなんなのか考えてみてください!

例1:「いじめ問題について、あなたはどのように指導をしますか?」

正解と解答例

正解の要点:
「いじめは絶対に許さない」という毅然とした姿勢を示すこと。

その他重要アプローチ:
事前の予防と早期発見が重要であること
被害児童の安全確保と心のケアを最優先すること。
加害児童への指導と、いじめの背景にある問題へのアプローチ。
保護者、関係機関との連携。
クラス全体への指導、いじめを許さない雰囲気作り。

例2:「教員の長時間労働が問題視されていますが、あなたはこれに対応できますか?」

正解と解答例

正解の要点:
なるべく時間内に業務を収めるための工夫や努力をする姿勢を示すこと。その上で、教員の仕事にはやむを得ない場合もあることを理解し、対応可能であると伝えること。

その他重要アプローチ:
業務効率化の方法を考えていくこと
生成AIや自動化で作業の効率化を進めていくこと

これらの質問は、面接でありながら教員としての基礎的な資質や知識を問うものです。

教育に関する最新の動向や、文部科学省が示している方針なども事前に調べておきましょう。

教育界全体がどういう流れで動いていくのか方針を知ることでより的確な回答ができるようになります!

<正解のない問い>

「正解が存在しない問い」とは、教育観、信念、人間性、そして創意工夫の能力を問う質問です。

これらの問いには、明確な「正解」というものは存在しません。だからこそ、個性や強みを最大限にアピールしましょう!

面接官に「この先生は面白い」「この先生なら、きっと子どもたちを良い方向に導いてくれるだろう」と思わせるチャンスです。

ここでは例題2つと解答例を紹介します。自分の教育観をもとに素敵な回答を作っていきましょう!

例1:「あなたはどんなクラスを作っていきたいですか?」

  • ポイント: あなたの教育理念や、子どもたちにどのような成長を促したいかというビジョンを具体的に語る。
  • 回答例:「私が作りたいクラスは、『子どもたちが安心して自分を表現でき、互いの違いを認め合い、共に学び成長できるクラス』です。
    そのためには、まず子どもたち一人ひとりの声に耳を傾け、それぞれの個性や良さを引き出すことを大切にしたいと考えています。例えば、定期的に『クラス会議』を設け、子どもたち自身がクラスのルールや目標を話し合って決める機会を設けます。また、学習面では、一方的に知識を教え込むのではなく、子どもたちが自ら課題を見つけ、探究する喜びを感じられるような授業を展開したいです。
    互いに助け合い、高め合う関係性を築くことで、子どもたちが安心して意見を出し、共に学び成長できるクラスを目指します。」

例2:「自分の教科に興味のない子どもたちに、どうやって指導をしていきますか?」

  • ポイント: 子どもたちの興味を引き出すための具体的な工夫や、教科の面白さを伝えるための情熱を語る。
  • 回答例:「私は、まず身近な”なるほど”を子どもたちと共有することで子どもたちの興味を引き出したいと考えています。
    私自身高校生の時に化学の授業で”ガラスは実は個体ではない。だからステンドグラスの下の方は色が濃くなってるやろ?”と教員に説明された時に、物質って面白い!!!と思うことができました。ここから今まで生きてきた中で化学と生活の関連で面白いと感じたことを逐一メモするようにしていました。
    そういった体験をもとにした生活とリンクする部分を子どもたちに共有して、子どもたちの興味を引き出していきたいと思っています。」

これらの質問は、人間性や教育に対する深い洞察力を測るものです。

事前に自分の教育観を深く掘り下げ、具体的なエピソードとともに語れるように準備しておきましょう!

面接で軸にしたい自分の教育観を明確にする

個人面接の場では、回答に対してさらに深掘りして質問をされることがよくあります。

「なぜそう思うのですか?」
「具体的にはどのような場面でそう感じましたか?」
「もし〇〇な状況になったらどうしますか?」

こういった回答が深まる質問を通して、教育観や、教員としての信念がどんなものなのかを確かめられています。

ここで自分の教育観や大切にしたいことが明確に言語化できていれば、深掘りにも自信を持って答えることができ、教育に対する熱意や一貫性を伝えることができます。

ここで自信がない回答をしてしまったり、言葉に詰まってしまったりすると、
「この人は現場に立って子どもたちを成長に導くリーダーシップがあるのだろうか」
「教育に対する軸がぶれているのではないか」

と判断されてしまう可能性があります。

面接の前に、以下の問いについてじっくり考え、自分の教育観を整理しておきましょう。

1つの問いに対して深掘りするような問いをぶら下げてアコーディオンにしています!ぜひ自分の教育観の深掘りに使用してください!

あなたが理想とする教員像とはどのようなものですか?
  • どのような資質や能力を持った教員になりたいですか?
  • 誰か憧れの先生がいますか?その先生のどんな点に感銘を受けましたか?
  • 「子どもたちの可能性を最大限に引き出す教員」「子どもたちの心の拠り所となる教員」「社会の変化に対応できる力を育む教員」など、具体的なイメージを持ちましょう!
子どもたちにどんな学校生活を送って欲しいですか?
  • 子どもたちが学校で何を学び、どのように成長してほしいと願いますか?
  • 「毎日笑顔で登校できる学校」「失敗を恐れずに挑戦できる学校」「多様な価値観を認め合える学校」など、具体的な情景を思い描いてみましょう。
教育において、あなたが最も大切にしたい信念は何ですか?
  • 例えば、「個性の尊重」「自主性の育成」「共生社会の実現」「学びの楽しさ」「心の教育」など、あなたが教育活動を行う上で譲れない、核となる考えは何でしょうか?
  • なぜその信念を大切にするのか、具体的な経験や学びと結びつけて説明できるように準備しましょう。
あなたの強みは、教員としてどのように活かせると考えますか?
  • あなたの個性や得意なこと(例:コミュニケーション能力、企画力、粘り強さ、傾聴力、特定の教科への深い知識など)が、教員としてどのように貢献できるかを具体的に説明しましょう。
  • 「私の強みは、相手の意見を丁寧に聞き、共感する力です。この力は、子どもたちの悩みや保護者の方の不安に寄り添い、信頼関係を築く上で大いに役立つと考えています。」といったように、教員としての職務と結びつけてアピールします。
教員として、どのような課題に直面すると思いますか?また、それに対してどのように向き合いたいですか?
  • 教員の仕事には、多忙さ、保護者対応、いじめ問題など、様々な困難が伴います。それらを認識しているか、そしてどのように乗り越えようとする姿勢があるかを見られます。
  • 「教員の多忙化は深刻な問題だと認識しておりますが、私はICTの活用や業務の効率化を常に意識し、限られた時間の中で最大限の成果を出せるよう努力します。また、一人で抱え込まず、同僚や管理職の方々と積極的に連携し、具体的な解決策や協働の姿勢を示すことが重要です。

これらの問いに対する答えを、面接の前にノートに書き出したり、声に出して練習してください。

練習することで教育観はより明確になり、自信を持って面接に臨めるようになるでしょう!

深掘りされても動じない、確固たる「軸」を持つことが、面接官に信頼感を与えます。

まとめ:あなたの教育への情熱を伝えよう

教員採用試験の個人面接は、人間性、教育への情熱、未来の教員としての可能性をアピールする絶好の機会です。

今回紹介した3つのポイントを意識して準備を進めることで、面接官に「この先生と一緒に働きたい!」と思わせる、魅力的な人材として映ることができるはずです。

もう一度ポイントを以下に整理しておきます!

  1. 「一緒に働いてほしい」と思わせる: 協調性、前向きな姿勢、コミュニケーション能力、教育への情熱を具体的なエピソードでアピールしましょう。
  2. 問いの「正解の有無」を意識する: 正解のある問いには確実に要点を押さえ、正解のない問いにはあなたの個性と教育観を最大限にアピールしましょう。
  3. 自分の教育観を明確にする: 理想の教員像、子どもたちへの願い、大切にしたい信念、強み、そして課題への向き合い方を深く掘り下げ、自信を持って語れるように準備しましょう。

面接は、あなた自身をプレゼンテーションする場です。飾らない言葉で、あなたの教育にかける熱い思いを伝えれば、きっと面接官の心に響くはずです。

皆さんの教員採用試験合格を心から応援しています!頑張ってください!

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この記事を書いた人

5年間教員をした後、「子ども達を支えるためにはまず大人から!」と思い、学校で使えるシステムを作成するエンジニアになるべく奮闘中
【取得資格】
・小・中(理科)・高(理科) 第1種教員免許 ・司書教諭資格
・基本情報技術者 ・AWS クラウドプラクティショナー

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